「分析課題発見コンサルティング」のご紹介 4/4

「分析課題発見コンサルティング」のご紹介 3/4 の続き

 

前準備3.方針の策定とスケジュール 


これまでの前準備から、

何についてどんな分析をしたらよいかある程度分かってきました。

ここからは、いよいよ具体的な計画を立てます。  



品質と期限のバランス

ここでのポイントは、

品質と期限の両面で「ニーズに間に合う」分析結果

を提供する計画を立て、その準備を行うことです。


もちろん、時間をかければ良い分析ができる確率は高くなります。

しかし、データ分析の結果は水物です。

使いたいタイミングに間に合わなければ、

また最新のデータを入れてやり直し・・・

ということはとてもよくあります。

分析は実際に使われることがゴールなので、

まずは期限に間に合わせなければなりません。


品質と期限、それぞれについて質の高い結果を出すために、

ここで⑤「どのように」⑥「いつ」を検討していきます。


 ⑤「どのように」では、 以下のことを検討します。

・最終的な分析目的は何か 

・分析に何を含めるか、含めないか 

・どの手法を用いることで目的を達成できるか  


⑥「いつ」では、 

・利用するタイミングに合わせていつ報告するか

・分析期間中に不明点や方向性の相談があるとき、いつできるか

・活用した結果はいつわかるか を検討します。



「どのように」を検討する観点

目的の的をさらに絞り込む

分析目的はすでに①「何について」で洗い出していますが、

前準備を経てより的を絞ったものになっていると思います。


たとえば、「前準備2」で販促担当者にヒアリングした結果、

商品の売上構成や顧客別の優先順位などがわかり、

単に「売上予測」として置いていたものが、

「対法人の売上を除く、最も売れているカテゴリの商品売上の予測」

に変わっているなどです。 



分析に含められない観点に配慮する

また、分析に含めるべき要因についても洗い出しを行います。

上の売上分析の例でいえば、

「対大口顧客の売上を除く、最も売れているカテゴリの商品売上」

に影響する要因を、担当者と話し合った結果から決めていきます。 


このステップでは、

「どこで」で検討した実際に使う人の感覚として重要ではあるものの、

データとしてはうまく取れない要因がほぼ必ずあります。

それらの分析に含められない要因をどうカバーするか、

実際のニーズに即して検討します。 


たとえば、競合店舗の売上によって自店の売上が大幅に変わることが

店頭現場ではわかっているが、それがデータとしては取れない、

という場合、どうするのでしょうか?


分析をあきらめる、ということもありますが、

競合売上のかわりにキャンペーン期間の日付データを使う、

あるいは競合売上の範囲を統計的に推定する・・・など、

取りえる手段はいろいろあります。


ヒアリングの内容をもとに、

どうすれば信頼度の高い結果につながるのか

検討していくのがこのステップです。


手法を選ぶ

手法というと専門的な仕事のように思えます。

また、データ分析を学んだ人なら、

因子分析や重回帰分析のような

具体的な統計手法を思い浮かべる人もいるでしょう。


目的とデータが決まれば、やることはおのずと決まってくる、

という面も確かにありますが、それだけではありません。


データ分析結果が活用されるうえで最も重要なのは、

「本当に信頼できるのか」

「使うことでどんなリスクがあるか」

という疑問に答える結果を出すことです。


そして、上のような疑問の優先順位は結果の利用目的によって変わります。

たとえば、同じ売上予測をする場合でも、

目安値としての予測売上がある程度精度高く欲しい、という場合と、

予測売上に影響する要因を細かく知りたい、という場合では

手法の選び方は違ってきます。


前者の場合は、個別の要因の説明力を知るニーズは少ないので、

ある程度表現力が捨象された手法を使っても

精度高くモデルを仕上げることが重要です。

しかし後者の場合は、精度はやや落ちるが

要因の影響について表現力の高い手法を選ぶほうが良いこともあります。


また、分析結果を報告する際も、

結果についての説明を行うことはもちろん、

「今回の手法を選んだ理由」と、

「今回の分析でカバーされている部分としていない部分

を必要に応じてきちんと伝えられることが重要です。


このときは手法の細かい話をするわけではありません。

分析における「リスク」「信頼性」を分析側がどのように考えており、

そのうえでどのようなやり方を選択したか、

今の結果がどの程度信頼できるものか、を明確に伝えることが目的です。


分析の目的と取れるデータの限界をふまえて、

信頼度と活用リスクの面で、使う人のニーズに合った手法を選択するのが

このステップです。



スケジュールを組む観点


ここまで検討した内容をもとに、

実際に結果が活用されるまでのスケジュールを組んでいきます。


スケジュール立案の注意点

スケジュールを組むにあたり、

実際の分析作業で注意するポイントは以下の通りです。


・データの前処理(確認、加工、集計)に十分な時間を取る


分析作業のリスクは主にデータの前処理にあります。

特に実際のデータを見ていない場合は、

データの形式の違いや、欠損などのリスクがどの程度あるかを考え、

ある程度余裕を見たスケジュールを組むほうが良いです。


また、報告のスケジュールでは以下の点に注意します。


・報告をするための十分な時間を設ける

・必要最低限のフィードバックをもらい、細部を修正する機会を設ける

・活用した結果がいつ分かるかを把握する


どのような分析をするか大筋で合意を取れていても、

特に報告の対象となる人が分析に慣れていない場合は、

1回で理解されるケースは少ないです。


結果を共有したうえで生じた疑問点や、

こういう結果ならこう使いたい、という課題や要望を取り込んで

修正する時間を取っておくことで、実際に使われる可能性が高まります。


ただし、修正の機会をあまり多くとりすぎると、

「あれもこれも」となり、プロジェクトが迷子になってしまうことがあります。

通常1回、最大でも2回までと区切っておくほうが、

参加するすべての人にとってメリットがあります。


また、複雑な分析をする際は、特に伝達漏れが起きます。

必要なことを十分に伝え、重要なことについて伝え漏れのないようにする

資料作りや報告のステップを検討していきます。


6つのマイルストーン

データ分析におけるスケジュール上の主なマイルストーンは

以下の6段階であることが多いです。


1.分析結果を共有して大筋で合意

2.利用予定のデータがすべて揃う

3.初回の分析結果を共有する

4.最終的な引き渡しを行う

5.分析結果を実務で利活用する

6.利活用したビジネス上の成果が分かる


このうち、実際に分析を行うのは2~4の間です。

ただし、5.はもちろん、6.についてもある程度知っておくほうが良いです。

それにより、分析を行った結果を振り返り、

次のいろいろな分析に生かすことができます。



おわりに

以上で「分析課題発見コンサルティング」の内容はすべて終了です。


いかがでしたでしょうか?

データ分析の経験がない方がお読みになった場合、

「分析の話はほとんど出てこなかったのに、ずいぶん面倒だな」

と思われたかもしれません。


しかし、実際に何回か分析を行った後で振り返ると、

実はこの過程が最も重要で、最も楽しい、ということが

ほとんどの方に分かっていただけると考えています。


また、実際にデータ分析の経験がある方でも、

「これはやっているが、これはやっていない」

ということがあると思います。


この記事や、実際の活動を通じて、

ヨカヤム「分析課題発見コンサルティング」が

少しでもお役に立てましたら幸いです。


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